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立派な変人たれ!

「立派な変人たれ」という言葉を常々言っていらっしゃった世界の山ちゃんこと株式会社エスワイフードの山本重雄会長が先日急逝されました。謹んでお悔やみ申し上げますと共に、心よりご冥福を申し上げます。とてもステキな方でしたから、早すぎる他界が本当に残念です。
私は2010年に山本会長の講演会を地元金山町で主催しました。一代で世界の山ちゃんを築き上げた山本会長のスピリットを聞きたい、という思うと、自分自身の会社の経営が行き詰まっていてなんとか現状を打破したいと思っていました。
山本会長はお店を経営していく中でのさまざまな事例を交えながら、「変」であることを「他人と違って個性的であること」とお話ししてくださいました。その話を聞きながら、自分自身は自由にやっているつもりでしたが、まだまだ縛られている自分を感じました。「印刷会社だから印刷をするのが仕事である」と。それまでにも新しいことにはチャレンジしているつもりでしたが、まだまだでした。
それから時が過ぎて2012年の春、金山町観光協会が「おみやげ企画募集」というのを始めました。その当時少しずつ地元の「筋骨めぐり」という観光ガイドにお客さんが増えていること、以前「栗よせ」という商品のお菓子を地元で作っていたけど、今は先輩の会社がその栗よせという名前でお菓子を作っていることを知っていましたから、おみやげ作りに挑戦してみようと思いました。
先輩の会社へ相談に行くと、商品を卸すことに対して快く引き受けてくれたので、パッケージをデザインして商品を作ってもらいました。自分自身の中では地域貢献をしたいという思いで商品化を始めたのですが、スタッフをはじめとしてまわりはとても冷ややかな目で見ていました。自分も「印刷会社がおみやげを企画して売るなんて『変』だな」と思いつつも販売をしました。
たくさんの方がお買い求め頂いたので、それからも地元を中心におみやげの企画をいろいろとしてきました。今では社名も「金山印刷所」から「コムズ」に変わり、違和感は随分減りましたし、弊社の事業の柱の一つとなりつつあります。あの時、「変かも?」と止めていたら、今のこの事業はなかったと思います。そして、私の背中を押してくれたのはあの山本会長の「講演」だったと今も思っています。
まだまだお若いですから、これからもたくさんの「変」で会社も社会も変えていってもらえる方でしたから、本当に残念でなりません。少しでも山本会長の意志を引き継いで「立派な変人」を目指していきます。心からのご冥福をお祈り申し上げます。