先日ある取引先の方と、お互いがよく知っている会社の話しをしていた時のことです。この会社は売上拡大・規模拡大を目指してどんどん大きくなったのですが、このコロナ禍で非常に厳しい状況になっているとの話しを伺いました。
このコロナ禍がなければ順調に売上も拡大していったと思いますが、こういう話しを聞くと同じ経営者として胸が苦しくなります。
その話をしていたらその取引先の方が、「自分は経営者になったことがないからわからないですが、経営者になると売上の拡大や規模の拡大に走っちゃうものですか?」と質問されました。
私も若い頃は売上の拡大や規模の拡大に憧れて一生懸命がんばりました。ただ、私はうまく拡大させることができませんでした。恐らく若い頃に拡大に成功していたら、「もっと大きく、もっと大きく」と思うようになっていたかもしれません。
ただ、今は売上はともかく規模の拡大は望んでいません。規模が拡大すると言うことはリスクも拡大していきます。小さいビジネスであれば動くお金も小さいので、多少のミスであれば「ごめんなさい」と謝れば済んでいくことでも、大きくなればなるほど、謝っても済まない問題が多くなってきます。
それより何より売上が大きくなったり規模が大きくなって、それが幸せに直結するかと言われると、私の場合は幸せには直結しないと感じています。規模の拡大を目指す方は、「まだ到達したことがない高い頂き」を目指しているからモチベーションになるのだと思いますが、今の私にはそれは取り立ててモチベーションにはなりません。それよりも働きやすい職場にしたり、今いるスタッフをもっと幸せにしたいと考えます。
「幸せにするために規模の拡大が必要」という考え方もあるとは思いますが、それであれば私は収益性のアップの方がもっと重要に思います。同じスタッフの人数でより大きな付加価値のある商品やサービスを提供することに注力することで、もっと企業価値を上げることの方が重要に思っています。
人それぞれ幸せの価値観が違いますが、価値観が同じ人たちと一緒に仕事をして、会社を成長させたいと思います。