20年ぐらい前になると思いますが、町の商店街から飛び出して郊外に3つの大きな小売店ができました。何倍にも売り場面積を広げて、広い駐車スペースも確保した店を見て、「すごいな」と思ったのを覚えています。その小売店はその時の時流に乗っていたこともあり、オープン当時はお客様も多く繁盛していましたが、今は3つとも閉店というか、倒産や倒産に近い廃業を
しています。
この3つの店に共通しているのが、「時流に乗った」ということだと思っています。郊外に店舗を作る、という大きな決断はできたのかもしれませんが、それは経営者としての本当の実力では
なかったのかもしれません。
本来であれば、事業で得た利益を次の投資に回してお金を好循環すべきところを怠り、事業に再投資しなかったことが、今の結末に至った原因だと思います。
今の弊社もある意味時流に乗ったビジネスをしているだけで、本当に実力があるかと問われたら、正直胸を張って「実力があります」と言える状況ではないと思います。それは、好不調の波が多きことに加えて、自分達でそれをコントロールできていないからです。そういう意味では真に自立した企業とは言えない、と思っています。
ピンチになった時にそれをどう乗り越えるのか、乗り越えるための準備が予め出来ているのか、いざという時に困らないような行動をしているか?そんなことをいつも自問しています。
今はピンチに備えて、事業の幅を拡げようとしています。「本当に実力のある会社」になれるように得た利益で投資しながら、足腰のしっかりとした企業を目指していきます。